ジョルジュ・ビゼー作曲による4幕のオペラ・コミック
リブレット:メイヤック&リュドヴィク・アレヴィ
原作:プロスペル・メリメの小説
上演時間:約3時間(休憩1回)
上演言語:フランス語(ドイツ語・英語字幕付き)
公演45分前にドイツ語によるプレレクチャーあり
公演について:
ジョルジュ・ビゼーのタイトル・ヒロイン「カルメン」は、オペラ史上最も魅力的なキャラクターの一人です。その解釈は実に多様です。誘惑者として、禁断の欲望の化身として、「永遠の女性性」の象徴として、ブルジョワ的な恐れや義務から解き放たれたアナーキストとして、自らの死をカードで読み取る古代的な予言者として――そして、運命を恐れないがゆえに自由なのです。彼女ほど多様な解釈を許すオペラのヒロインはほとんどおらず、社会の鏡として映し出されます。
ビゼーのカルメンは、ロマン派オペラへの挑戦でもありました。貧困と犯罪に満ちた労働者階級の世界を自然主義的に描いたこの作品は、オペラの既成概念に真っ向から対抗しています。そこではドン・ホセの夢は破綻せざるを得ません。彼のカルメンへの執着は、彼を破滅と犯罪へと導き、農村娘ミカエラとの平穏で安定した生活の道を拒み続けるのです。
あらすじ
第1幕
1820年ごろのセビリア。昼休みに広場に現れたタバコ工場の女工たちに、男たちが言い寄るが、ジプシーの女工カルメンは全く相手にしない。カルメンは、女工たちに興味を示さない衛兵(竜騎兵)伍長のドン・ホセに花を投げつけ、気を引こうとする。ドン・ホセの婚約者であるミカエラが現れ、ドン・ホセに故郷の彼の母親からの便りを届ける。カルメンはけんか騒ぎを起こし、牢に送られることになる。しかし護送を命じられたドン・ホセは、カルメンに誘惑されて彼女を逃がす。パスティアの酒場で落ち合おうと言い残してカルメンは去る。
第2幕
1か月後、カルメンを逃がした罪で牢に入れられていたドン・ホセが釈放される。カルメンが、友人2人(メルセデスとフラスキータ)、衛兵隊長スニガと酒場で歌い踊っていると、花形闘牛士エスカミーリョが現れ、カルメンの気を引く。釈放されたドン・ホセが酒場に着くと、カルメンはドン・ホセのために歌って踊り、密輸団の仲間になるよう誘う。カルメンの色香に迷ったドン・ホセは、婚約者ミカエラを振り切ってカルメンの元に行き、上司とのいさかいのため、密輸をするジプシーの群れに身を投じる。しかし、そのときすでにカルメンの心は闘牛士エスカミーリョに移っていた。
第3幕
冒頭で、ジプシーの女たちがカードで占いをする。カルメンが占いをすると、不吉な占いが出て結末を暗示する。密輸の見張りをするドン・ホセを、婚約者ミカエラが説得しに来る。闘牛士エスカミーリョもやってきて、ドン・ホセと決闘になる。騒ぎが収まったあと、思い直すように勧めるミカエラを無視するドン・ホセに、ミカエラは切ない気持ちを一人独白する。カルメンの心をつなぎとめようとするドン・ホセだが、カルメンの心は完全に離れていた。ミカエラから母の危篤を聞き、ドン・ホセはカルメンに心を残しつつ、盗賊団を去る。
第4幕
ホセが盗賊団を去って1か月後、エスカミーリョとその恋人になっているカルメンが闘牛場の前に現れる。エスカミーリョが闘牛場に入ったあと、一人でいるカルメンの前に、ドン・ホセが現れて復縁を迫り、復縁しなければ殺すと脅す。ドン・ホセの執拗な言動にカルメンは業を煮やし、それならば殺すがいいと言い放つ。以前彼からもらった指輪を外して投げつける。逆上したドン・ホセはカルメンを刺し殺し、その場で呆然と立ちつくす。